活動報告
業績
皮質・皮質下の少数の神経成分が社会的報酬を処理するメカニズムを解明
社会的動物において自己と他者の報酬を評価することは重要であり、複数の脳領域(内側前頭前野・ドーパミン作動性中脳核・視床下部外側野)がその評価に関わっていることが知られています。本研究では機械学習手法を用いて、各部位内の神経集団活動と部位間の相互作用をデータ駆動的に特徴づけることができました。内側前頭野と視床下部外側野に比べ、ドーパミン作動性中脳核は集団活動の次元(自由度と考えてください)が低いことが示されました。また、内側前頭野からドーパミン作動性中脳核へは少数の活動成分が寄与していることが示されました。これは内側前頭野で表現される自己と他者の報酬情報が、ドーパミン作動性中脳核で統合され主観的報酬情報に変換されることを示唆しています。本研究で提案するデータ駆動型解析法は集団神経活動を客観的に特徴づけるもので、大規模神経活動データの解析で今後活用されるものと期待しています。
論文タイトル
Subspace analysis identifies low-dimensional interactions between cortical and subcortical brain regions in social reward computation
論文URL:https://doi.org/10.1016/j.neures.2025.02.005